華のない世界はつまらない。だから、できれば庭だけでなく、室内にも華があるといいと思う。なぜなら、華を育てることは、生活を豊かに華やかにしてくれることだから。さらに華を観(観賞)みることで、みんなの心も豊かにしてくれる。私は、一輪一輪にそんな想いを込めながら華を育てています。
田村園芸 田村 静 氏
田村園芸は、私の父親が主にシクラメンの栽培を行っていました。子どもの頃から父の仕事を間近に見ていたので、花は自分の人生の中で、当たり前のように、いつも身近にあるものでした。
そんな中で、カーパスと出会ったのです。それはまさに偶然でした。ある展示会に出展した時、たまたま隣で出展していた会社がストレプトカーパスを扱っていたのです。いろいろと話しを聞いていく中で、はじめて「葉差し」という言葉を知りました。それまで自分の中にあった花とはちがう、葉を差して増やしていく花だという概念には、とても興味が沸きました。すぐに自分でもやってみて、どんどん魅了されていきました。
そして、3年くらいかけながら、いろいろな試行錯誤を行って、ようやく商品として世に出せるカーパスがつくれるようになりました。
田村さんが育種をしているレモン! 本当に大きいんです。いつかAGSで販売するかも?!
カーパスの葉差しで難しいところは、花がぽつぽつと咲いて、一斉にパッと咲いてくれるわけではないという点です。だから最初のうちは一度花は全部切ってしまって、ある程度のつぼみだけ残すようにする。すごくもったいないことだけれど、そうすることで、一斉に花が咲くようになる。もちろん、その方法ですべてがうまくいくとは限らない。ケースによっては2回、3回と切らないといけない場合もある。まさに試行錯誤の連続で生まれてくるのです。
また、色の出し方を固定するのも難しい点のひとつです。自分では青くするつもでも、赤やピンクがでてきたりします。正直、不思議なことがたくさん起きます。そういう意味では、今でも毎日が苦労は絶えないのが現状です。
カーパスを作り始めて6~7年たちます。ただ、とても残念なことですが、カーパスのことをまだまだ知っている人が少ないのです。だから、カーパスのことを、もっともっと有名にしていくことが、当面の大きなミッションだと思っています。まずカーパスの存在を知ってさえもらえれば、きっとその魅力に気が付いてくれる方がたくさんいるはずだと思いますから。同時にカーパスを生で見てほしいと思います。写真やカタログでみるのと、色が全然ちがいます。これは説明するより直接見てもらうのが一番の早道。そのためにも直接カーパスを見られる場を1つでも多くつくっていけれればと考えています。
1.1つ1つ手作業で花数を揃えていきます。
2.お届け時は4寸程ですが、半年~1年でここまで成長します。
3.真っ直ぐな立ち上がりが素晴らしい!
まだまだ知られていない花だからこそ、AGSさんには、カーパスの良さ、存在をもっともっと伝えて貰えたら嬉しいなと思っています。